『ウォール街』レビュー──「強欲は善だ」の時代
TL;DR
- 1980年代のウォール街を舞台にした金融映画の古典
- 「Greed is good(強欲は善だ)」の名台詞
- インサイダー取引と企業買収の世界を描く
監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン
金融映画の原点
1987年公開の本作は、金融を題材にした映画の金字塔です。オリバー・ストーン監督が、1980年代アメリカの「強欲の時代」を鋭く描いています。
マイケル・ダグラスが演じる企業買収家ゴードン・ゲッコーは、映画史に残る悪役として知られています。彼の「Greed is good(強欲は善だ)」という演説は、あまりにも有名です。
観た当時の感想
古い映画ですが、金融の本質は変わっていないと感じます。情報の非対称性を利用して利益を得る──ゲッコーのやり方は、仮想通貨市場の一部でも見られます。「インサイダー情報」に飛びつく前に、この映画を思い出すべきです。
私がこの映画を観たのは、仮想通貨トレードを始めた頃でした。「情報戦」の側面があるこの世界で、何が合法で何が違法なのかを考えるきっかけになりました。
バド・フォックスの物語
主人公は若い株式ブローカー、バド・フォックス(チャーリー・シーン)。成功への野心に燃える彼は、伝説的な投資家ゴードン・ゲッコーに接近します。
ゲッコーに気に入られるため、バドは父親の勤務先である航空会社のインサイダー情報を提供してしまいます。これがゲッコーの世界への入り口となります。
ゴードン・ゲッコー
マイケル・ダグラスが演じるゲッコーは、映画史上最も魅力的な悪役の一人です。高級スーツ、スリックバック、冷徹な眼差し──彼のスタイルはウォール街のアイコンとなりました。
皮肉なことに、本作は金融業界への批判として作られましたが、多くの若者がゲッコーに憧れて金融業界を目指したと言われています。
「強欲は善だ」
映画の最も有名なシーンは、ゲッコーが株主総会で行う演説です。「強欲は善だ。強欲は正しい。強欲は機能する」──この言葉は、1980年代の金融資本主義を象徴するものとして語り継がれています。
この演説は、経済学者ミルトン・フリードマンの自由市場思想を戯画化したものとも言われています。自己利益の追求が社会全体の利益につながるという考え方です。
インサイダー取引
映画の中心テーマは「インサイダー取引」です。公開されていない重要情報を基に株式を売買することは、法律で禁じられています。映画は、この違法行為が当時のウォール街でいかに横行していたかを描いています。
仮想通貨市場でも、プロジェクトの内部者による事前売買は問題となっています。
企業買収の世界
映画は、1980年代に流行した「敵対的買収」や「レバレッジド・バイアウト」(LBO)の世界も描いています。企業を買収し、分割して売却することで利益を得る──ゲッコーはこの手法の達人です。
この「企業略奪者」への批判が、映画の底流にあります。
父と子の対立
映画のもう一つの軸は、バドと父親との関係です。父親のカール・フォックス(マーティン・シーン、実際のチャーリー・シーンの父)は、労働組合のリーダーとして描かれています。
額に汗して働く労働者階級と、お金でお金を増やすウォール街──この対立が、映画の道徳的基盤となっています。
仮想通貨への示唆
仮想通貨市場にも、この映画の教訓は当てはまります。「インサイダー情報」を謳う投資グループ、「必ず上がる」と煽るインフルエンサー──ゲッコー的な存在は仮想通貨界にも溢れています。
バドのように「近道」を求める心理は理解できますが、その代償を忘れてはなりません。
続編「マネー・ネバー・スリープス」
2010年には続編『ウォール・ストリート』が公開されました。刑務所から出所したゲッコーが、2008年金融危機の時代に戻ってくる物語です。
続編も観る価値がありますが、オリジナルの衝撃には及びません。
時代を超えた普遍性
1987年の映画ですが、描かれているテーマは普遍的です。欲望、野心、倫理の葛藤──これらは時代や技術を超えて人間に付きまとう問題です。
仮想通貨という新しい世界でも、人間の本性は変わりません。
こんな方におすすめ
- 金融映画の古典を観ておきたい方
- 1980年代のウォール街に興味がある方
- マイケル・ダグラスの演技を堪能したい方
- 投資における倫理を考えたい方
少し古い映画ですが、今観ても十分に面白い作品です。
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