『インベスターZ』レビュー──投資の入門マンガ
TL;DR
- 中学生が投資部で学校の資産を運用するマンガ
- 投資の基礎概念をエンタメとして学べる
- 「ドラゴン桜」の三田紀房による投資入門の傑作
著者:三田紀房
投資を学ぶマンガ
進学校「道塾学園」に入学した主人公・財前孝史は、入学早々「投資部」に勧誘されます。この投資部は、学園の運営資金を株式投資で運用するという秘密組織。財前は投資の世界に足を踏み入れることになります。
「ドラゴン桜」で受験勉強をマンガ化した三田紀房が、今度は投資の世界を描いた作品です。複雑な概念を分かりやすく、そしてエンタメとして面白く伝えることに長けた作者ならではの一作です。
読んだ当時の感想
投資を始めたばかりの頃に読みました。マンガなので読みやすく、株式投資の基本的な考え方を自然と学べました。
私がこのマンガを読んだのは、仮想通貨投資を始めて間もない頃でした。「投資とは何か」という根本的な問いに対する答えを探していた時期に、この作品は良い入門書となりました。
描かれる投資の世界
本作では、株式投資を中心に、FX、不動産、ベンチャー投資など幅広い投資の世界が描かれます。ウォーレン・バフェットや堀江貴文(作中では本人として登場)など、実在の投資家や起業家も登場し、リアリティを高めています。
投資の技術だけでなく、お金の哲学、起業家精神、日本経済の問題点など、幅広いテーマが扱われているのも特徴です。
投資の心理
本作の魅力は、投資における心理的側面を丁寧に描いていることです。買うときの躊躇、含み損を抱えたときの焦り、利益確定のタイミング──投資家なら誰もが経験する心理的葛藤がリアルに描かれています。
特に「損切り」の重要性と難しさは、繰り返し強調されます。これは仮想通貨投資でも最も重要なスキルの一つでしょう。
日本経済への提言
本作は単なる投資マンガではなく、日本経済への問題提起も含んでいます。「貯蓄から投資へ」というメッセージ、起業家精神の欠如への批判、硬直した教育システムへの疑問──これらのテーマが物語を通じて語られます。
特に印象的なのは、「お金は寝かせておくものではなく、働かせるもの」という考え方です。日本の個人金融資産の多くが預金として眠っている現状への問題提起と言えるでしょう。
投資家マインド
本作を通じて繰り返し強調されるのは、「投資家のマインドセット」です。リスクを恐れすぎない、自分で調べて判断する、長期的な視点を持つ──これらの考え方は、仮想通貨投資にも直接応用できます。
「投資はギャンブルではない」というメッセージも重要です。リサーチに基づいた投資と、運任せのギャンブルは本質的に異なるものです。
仮想通貨への言及
連載中にビットコインが注目を集めた時期と重なり、作中でも仮想通貨が取り上げられています。ブロックチェーンの仕組みやビットコインの可能性についても解説があり、当時としては先進的な内容でした。
ただし、連載時期の制約もあり、2017年以降の仮想通貨の発展については描かれていません。入門書として読む分には十分ですが、最新の情報は別途学ぶ必要があります。
批判的な視点
マンガとして面白く読める反面、描写が単純化されている部分もあります。実際の投資はこれほど劇的ではありませんし、損失のリスクはより深刻です。エンタメとして楽しみつつも、鵜呑みにしすぎないバランス感覚が必要でしょう。
また、一部の描写には物議を醸した部分もあり、すべての主張に同意する必要はありません。
入門書としての価値
投資の入門書として、本作の価値は高いと言えます。専門書のように堅苦しくなく、マンガとして楽しみながら基本概念を学べる。投資に興味はあるが何から始めればいいか分からない──そんな方への第一歩として最適です。
もちろん、これだけで投資の全てが学べるわけではありません。入門書として読み、興味を持った分野については専門書で深堀りする──そのような使い方がおすすめです。
こんな方におすすめ
- 投資に興味があるが堅い本は苦手な方
- 株式投資の基本を楽しく学びたい方
- 「ドラゴン桜」が好きだった方
- お金の哲学を考えたい方
全21巻と長編ですが、読みやすいので一気に読めます。投資の世界への入り口として最適な一作です。
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