『マッドマックス 怒りのデス・ロード』レビュー──崩壊した世界の通貨
TL;DR
- 文明崩壊後の世界を描いたアクション映画の傑作
- 「資源=価値」という原始的な経済が描かれる
- 法定通貨が無意味になった世界を考えさせられる
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン
ディストピア映画の金字塔
2015年公開の本作は、1979年から始まった『マッドマックス』シリーズの4作目。監督のジョージ・ミラーが30年ぶりにシリーズに帰還し、圧倒的なビジュアルと激しいアクションで観客を魅了しました。
アカデミー賞で6部門を受賞し、批評家からも観客からも絶賛された傑作です。
観た当時の感想
仮想通貨とは直接関係ありませんが、「お金とは何か」を考える上で面白い映画です。文明が崩壊したら、紙幣は単なる紙切れになります。価値を持つのは水、燃料、食料──実物資源です。ビットコインのような「デジタル資産」はどうなるのでしょうか。
私がこの映画を観たのは、仮想通貨について「本質的な価値がない」という批判について考えていた時期でした。しかし考えてみれば、法定通貨も「文明への信頼」という脆弱な基盤の上にあるのです。
崩壊した世界
映画の舞台は、核戦争と環境破壊によって文明が崩壊した未来の砂漠世界。水と燃料は希少で、独裁者イモータン・ジョーがこれらの資源を支配することで権力を握っています。
貨幣経済は存在せず、資源の物々交換と暴力による略奪が経済活動の基本です。
資源=価値
マッドマックスの世界では、「価値」の概念がシンプルになります。水、燃料(ガズリン)、弾薬、健康な人体(血液提供者として)──これらが価値を持つ資源です。
金や銀でさえ、実用性がなければ価値を持ちません。これは「本質的価値」について考えさせられる設定です。
権力と資源
イモータン・ジョーは「水」を支配することで権力を維持しています。希少な資源を独占し、配給を管理することで民衆を従わせる──これは中央集権的な通貨発行と似た構造です。
ビットコインが「分散型」であることの意義は、こうした資源の独占への対抗とも解釈できます。
文明への信頼
私たちの経済は「文明への信頼」に依存しています。政府が存続し、銀行が機能し、法律が執行される──これらの前提があって初めて、紙幣は価値を持ちます。
マッドマックスの世界は、この信頼が崩壊したときに何が起こるかを極端な形で描いています。
サバイバリズムと仮想通貨
仮想通貨界には「サバイバリスト」的な思考を持つ人も少なくありません。政府や銀行が崩壊しても、ビットコインは機能する──そういう期待です。
しかし、マッドマックス的な世界では電気もインターネットもありません。デジタル資産は、文明を前提とした資産なのです。
アクション映画として
経済的な考察は置いておいて、純粋なアクション映画として本作は傑作です。2時間のほとんどが車両チェイスシーンで構成され、そのスペクタクルは圧倒的。
CGに頼らない実写アクションへのこだわりが、映像に生々しさを与えています。
フュリオサの物語
タイトルは「マッドマックス」ですが、物語の真の主人公はシャーリーズ・セロン演じるフュリオサです。彼女の反逆と解放の物語が、映画の感情的な核心となっています。
2024年には前日譚『フュリオサ』も公開されました。
テーマの普遍性
本作は「資源の枯渇」「権力の腐敗」「自由への希求」といった普遍的なテーマを扱っています。気候変動が現実の脅威となっている現代において、その警告はより切実に響きます。
極端なディストピアですが、現実と無縁ではありません。
こんな方におすすめ
- アクション映画が好きな方
- ディストピアSFに興味がある方
- 「価値とは何か」を考えたい方
- ビジュアルにこだわった映画を観たい方
仮想通貨とは直接関係ありませんが、「価値」について考えさせられる作品です。
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