『タートル流投資の魔術』レビュー──伝説のトレーダー育成プログラム
TL;DR
- 伝説のトレーダー育成実験「タートルズ」の内幕を明かした一冊
- トレードは才能か、それとも学習可能なスキルか──その答え
- システムトレードの手法とマインドセットを学べる
著者:カーティス・フェイス
タートルズの実験
1983年、伝説のトレーダーであるリチャード・デニスとウィリアム・エックハートは、一つの実験を行いました。「トレーダーは育てられるのか、それとも生まれつきの才能なのか」──この論争に決着をつけるため、素人を募集してトレーダーに育成したのです。
この実験は「タートルズ」と呼ばれ、参加者たちは驚異的な成績を収めました。本書は、その参加者の一人であるカーティス・フェイスが、タートルズの手法と経験を明かした一冊です。
読んだ当時の感想
トレードの心理面について学ぶために読んだ本です。手法よりも、ルールを守り続けることの難しさと重要性が印象に残りました。
私がこの本を読んだのは、テクニカル分析を学んだ後でした。手法は理解できたが、実際のトレードでルールを守れない──その壁にぶつかっていた時期です。本書は、その心理的な課題への洞察を与えてくれました。
トレードは学習可能か
タートルズの実験は、「トレードは学習可能なスキルである」という結論を示しました。素人だった参加者たちが、わずか2週間の研修で数百万ドルを運用するトレーダーになったのです。
しかし、本書が明かすのは、同じ手法を学んでも結果に大きな差が出たという事実です。手法よりも、ルールを守り続ける規律が重要だったのです。
タートルズの手法
本書では、タートルズが実際に使用した手法が詳細に解説されています。トレンドフォロー戦略、ブレイクアウトエントリー、ATRによるポジションサイジング──これらの手法は、現在でも有効性を持っています。
特に重要なのは、リスク管理の手法です。1トレードあたりのリスクを口座の一定割合に抑える「2%ルール」は、タートルズから広まった概念です。
心理的な障壁
本書が特に価値があるのは、トレードの心理的側面を詳しく描いている点です。損失への恐怖、利益確定を早めすぎる傾向、連敗時のルール逸脱──トレーダーが陥りがちな心理的罠が解説されています。
著者自身も、タートルズ時代に心理的な葛藤を経験しました。その生々しい体験談は、読者にとって貴重な教訓となります。
システムトレードの思想
タートルズの手法は「システムトレード」の典型です。感情を排し、あらかじめ定めたルールに従って売買する──この思想が本書を貫いています。
「優れたトレーダーは優れた判断をするのではなく、優れたシステムに従う」──この考え方は、仮想通貨のボット取引にも通じるものがあります。
期待値の考え方
本書は「期待値」の概念を重視しています。個々のトレードの勝敗ではなく、長期的な期待値がプラスであることが重要です。勝率が低くても、一回あたりの利益が損失を上回れば、長期的には利益が出ます。
この考え方は、高ボラティリティの仮想通貨市場でも有用です。短期的な損失に一喜一憂せず、長期的な期待値を信じてルールを守り続けることの重要性が説かれています。
仮想通貨への応用
タートルズの手法は先物市場で開発されましたが、仮想通貨市場にも応用可能です。トレンドが明確に現れやすい仮想通貨は、トレンドフォロー戦略と相性が良いとも言えます。
ただし、仮想通貨特有のボラティリティの高さ、24時間市場、流動性の問題には注意が必要です。パラメータの調整や、リスク管理のさらなる厳格化が求められるでしょう。
批判的な視点
タートルズの手法が今でも有効かどうかについては、議論があります。市場環境の変化、アルゴリズム取引の普及──これらの要因により、単純なトレンドフォロー戦略の有効性は低下しているという指摘もあります。
本書から学ぶべきは、特定の手法ではなく、システムトレードの思想とリスク管理の重要性かもしれません。
こんな方におすすめ
- トレードの心理的側面を学びたい方
- システムトレードに興味がある方
- リスク管理の手法を知りたい方
- 伝説的なトレーダーの実体験を知りたい方
トレードに興味があるなら、一読の価値がある本です。手法だけでなく、マインドセットを学べます。
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