『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』レビュー──入門書の決定版
TL;DR
- コインチェック共同創業者が書いた、最もわかりやすいビットコイン入門書
- 技術的な仕組みから実際の使い方まで網羅した実践的内容
- 2017年の仮想通貨ブーム時に最も読まれた入門書の一つ
著者:大塚雄介
コインチェック共同創業者による入門書
著者の大塚雄介氏は、日本最大級の仮想通貨取引所コインチェックの共同創業者兼COOです。本書は、実際にビットコインビジネスの最前線に立つ人物が、その経験をもとに書いた入門書という点で、他の入門書とは一線を画しています。
タイトルの「いまさら聞けない」という言葉が示すように、本書は「ビットコインって何?」という素朴な疑問を持つ人に向けて書かれています。専門用語を極力避け、図解を多用した構成は、技術的なバックグラウンドがない読者にも理解しやすいものになっています。
読んだ当時の感想
仮想通貨を始めようとする友人に最初に薦める本がこれです。難しい概念を簡潔に説明しており、読後には「なぜビットコインが革命的なのか」が腑に落ちます。
私自身、仮想通貨投資を始めた2017年の夏にこの本を手に取りました。当時、ビットコインの価格は急上昇しており、「とりあえず買わなきゃ」という焦りがありました。しかしこの本を読んで、まず技術を理解することの重要性を学びました。
ビットコインの仕組みを図解で理解
本書の最大の特徴は、ブロックチェーンの仕組みを視覚的に理解できる点です。「ブロック」「チェーン」「マイニング」「ハッシュ」──これらの概念が、図解とともに直感的に説明されています。
特に秀逸なのは、ビットコインの取引がどのように検証され、ブロックチェーンに記録されるかを説明する部分です。10分ごとに新しいブロックが生成される仕組み、マイナーによる計算競争、そして改ざん耐性がなぜ生まれるのか──これらが、専門知識なしでも理解できるように構成されています。
実際の使い方も詳しく解説
本書は理論だけでなく、実践面も充実しています。取引所での口座開設、ウォレットの設定、送金の方法──ビットコインを実際に使うために必要な知識が網羅されています。
特に重要なのは、セキュリティに関する章です。二段階認証の設定、コールドウォレットの活用、フィッシング詐欺への注意──著者が取引所運営者として培った知見が、読者の資産を守るための具体的なアドバイスとして提供されています。
アルトコインの世界
本書はビットコインだけでなく、イーサリアム、リップル、ライトコインなどのアルトコインについても解説しています。それぞれの特徴、ビットコインとの違い、そして投資対象としての可能性が検討されています。
特にイーサリアムについては、スマートコントラクトという概念が詳しく説明されています。「ビットコインが「お金」なら、イーサリアムは「コンピュータ」」という比喩は、両者の本質的な違いを理解するのに役立ちます。
投資としてのビットコイン
本書の後半では、ビットコインを投資対象として見た場合の考え方が解説されています。ボラティリティの高さ、価格変動の要因、リスク管理の方法──これらは、2017年の仮想通貨バブルを経験した今だからこそ、改めて振り返る価値があります。
著者は「余剰資金での投資」を強く推奨しています。また、「価格が下がっても持ち続けられるか」という問いを自分に投げかけることの重要性を説いています。この助言は、バブル崩壊後に多くの投資家が痛感したことでしょう。
コインチェック事件後の視点
2018年1月、コインチェックはNEM流出事件を起こしました。本書を読み返すと、著者が強調していたセキュリティの重要性が、皮肉な形で現実のものとなったことがわかります。
しかし、この事件は「取引所に資産を預けることのリスク」という本質的な問題を浮き彫りにしました。ビットコインの精神──自己主権、自己責任──を改めて認識させる出来事でした。本書を今読む価値は、そのような歴史的文脈を踏まえた上で、仮想通貨の基礎を学べる点にあります。
こんな方におすすめ
- ビットコインを一から学びたい完全初心者の方
- 図解でわかりやすく理解したい方
- 実際にビットコインを購入・使用したい方
- 仮想通貨投資を始める前に基礎知識を固めたい方
入門書は数多くありますが、本書はその中でも最もバランスが取れた一冊です。技術、実践、投資の三つの側面から仮想通貨を理解できる、入門書の決定版と言えるでしょう。
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