『週4時間だけ働く』レビュー──ライフスタイルデザインの原点
TL;DR
- 週4時間の労働で豊かに暮らす方法を提唱した衝撃作
- 「ニューリッチ」という新しいライフスタイルの概念
- アウトソーシングと自動化で時間を買い戻す発想
著者:ティモシー・フェリス
働き方革命の原点
2007年に出版された本書は、「4 Hour Workweek」というタイトルで世界中に衝撃を与えました。週4時間の労働で生計を立て、残りの時間は旅行、趣味、学習に充てる──この過激に聞こえる提案が、多くの読者の人生を変えました。
著者のティム・フェリスは、かつて週80時間働くワーカホリックでした。彼が見つけた「脱出法」を体系化したのが本書です。
読んだ当時の感想
仮想通貨に投資する理由の一つが、この本で言う「ニューリッチ」への憧れでした。お金を稼ぐために時間を売る生活から抜け出したい。不労所得や投資収入で時間を買い戻したい。そんな思いで仮想通貨を始めました。
私がこの本を読んだのは、サラリーマン生活に疑問を感じ始めた頃でした。「一生懸命働いて、定年後に自由を楽しむ」という従来のモデルへの疑問が、本書で言語化されました。
ニューリッチとは
フェリスは「ニューリッチ」という概念を提唱します。これは、資産の多寡ではなく、時間と場所の自由を持つ人々を指します。年収1億円でも週80時間働くなら、年収500万円で週4時間働く人より「貧しい」のです。
重要なのは「何を持っているか」ではなく「何ができるか」。この価値観のシフトが、本書の核心です。
DEAL──4つのステップ
フェリスは、ニューリッチになるための4つのステップを「DEAL」と呼びます。
D – Definition(定義):成功とは何かを再定義する。従来の「退職後の自由」ではなく、「今の自由」を目指す。
E – Elimination(排除):パレートの法則を適用し、重要でない仕事を排除する。80%の成果は20%の活動から生まれる。
A – Automation(自動化):ビジネスプロセスを自動化し、アウトソーシングを活用する。
L – Liberation(解放):場所と時間の制約から解放される。リモートワーク、ミニ・リタイアメントを実践する。
アウトソーシングの活用
本書で最も実践的なのは、アウトソーシングについての章です。バーチャルアシスタント(VA)を雇い、定型的な作業を任せることで、自分の時間を買い戻す。フェリスは実際にインドのVAを雇い、メール対応からスケジュール管理まで任せていました。
この考え方は、今日のクラウドソーシングや業務自動化の先駆けでした。
ミニ・リタイアメント
フェリスは、65歳まで働いてから引退するのではなく、人生の各段階で「ミニ・リタイアメント」を取ることを提案します。1ヶ月、3ヶ月、1年──定期的に仕事から離れ、旅行や学習に充てるのです。
若くて元気なうちに世界を旅するのと、70歳になってから旅するのでは、得られる経験が違います。
仮想通貨との親和性
本書の思想と仮想通貨には親和性があります。仮想通貨は「場所の自由」を拡張します。銀行口座がなくても、インターネットさえあれば世界中で価値の送受信ができます。
また、仮想通貨への投資は「お金を働かせる」という発想そのものです。労働時間と収入が比例しない収入源を持つことは、ニューリッチへの第一歩と言えます。
批判と限界
本書には批判もあります。「週4時間で生活できるのは一部の恵まれた人だけだ」「アウトソーシングは低賃金労働の搾取だ」「すべてを自動化できるわけではない」──これらの批判には一理あります。
本書のアドバイスを文字通り実行できる人は限られるでしょう。しかし、その根底にある「時間の価値を再考する」という考え方は、誰にとっても有益です。
出版から15年後
2007年の出版から15年以上が経ち、本書の予言の多くは現実になりました。リモートワークの普及、ギグエコノミーの台頭、デジタルノマドの増加──コロナ禍がこれらの変化を加速させました。
本書は時代を先取りしていたと言えるでしょう。一部の内容は古くなっていますが、基本的な思想は今でも有効です。
実践への第一歩
本書を読んだ後、何から始めるべきでしょうか。フェリスは「恐怖を定義せよ」というエクササイズを勧めています。最悪のシナリオを具体的に書き出すと、実際には大したリスクではないことが分かることが多いのです。
また、「情報ダイエット」──ニュースやSNSを見る時間を減らすこと──も効果的な第一歩です。
こんな方におすすめ
- 現在の働き方に疑問を感じている方
- 時間の自由を手に入れたい方
- 副業や投資で収入源を増やしたい方
- デジタルノマド的ライフスタイルに興味がある方
賛否両論ありますが、読むと何かが変わる本です。少なくとも「働き方の選択肢」について考えるきっかけになるでしょう。
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