2025年も半ばを迎える今、ビットコインを取り巻く環境は大きく変化しています。その象徴的な出来事の一つが、ドナルド・トランプ元大統領の急激なスタンス転換でしょう。過去にはビットコインを「詐欺まがいだ」と切って捨てたトランプ氏ですが、今や仮想通貨業界の大きな支持者として知られるようになりました（[PBS記事](https://www.pbs.org/newshour/politics/once-a-crypto-skeptic-trump-is-now-a-big-fan-of-the-industry)）。そして市場もこの動きを受け、およそ1,700万円台という歴史的な高値が続いています。

　このような政治的な動きは、単なる気まぐれではありません。最新の動向では、トランプ政権2.0がデジタル資産や仮想通貨関連サービスへの規制緩和にも動いており、行政命令としてビットコイン保有の明示も見られます（[Pillsbury Lawの記事](https://www.pillsburylaw.com/en/news-and-insights/cryptocurrency-digital-assets-trump.html)）。それだけでなく、トランプ氏の息子たちまでもがビットコインマイニング事業に積極的に参画し、アメリカ国内の暗号資産ビジネスをより「メインストリーム」な存在へと押し上げているのです（[BBC記事](https://www.bbc.com/news/articles/cx2qg6e03l2o)）。

　こうした国家や主要人物の参入は、ビットコインが単なる投機の道具ではなく、「価値保存手段」としての本質を露わにしています。オーストリア経済学の泰斗、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスやフリードリヒ・ハイエクは、貨幣の価値が中央集権的な力によらず、人々の自由な選択によって決まることを説きました。ビットコインはまさにそうした選択の産物であり、自己の秘密鍵を管理でき、国家や金融機関による恣意的な差し押さえや管理から自由であるという唯一無二の特徴を持っています。

　サイフェディーン・アモウス著『The Bitcoin Standard』でも説かれるように、ビットコインは金（ゴールド）のデジタルアップデートと言える存在です。限られた供給量、公的な関与からの独立、そして誰もが平等にアクセスできるオープン性──これらの特徴は、不安定な法定通貨と比べてはるかに優れた「価値の保存手段」であることを示しています。だからこそ私は「投資」としての一過性の利益追求より、日常の資産保存手段としてのビットコイン利用を推奨したいのです。

　現在、ビットコインは約16,983,211円で取引されています。この価格の高騰は、市場の熱狂だけでなく「自分の資産を自分で守る」という思想が、著名人や国家レベルにまで広がっていることの証左でしょう。今後も金融機関や国家の参入によって、ビットコインの価値とその意義はますます高まっていくと予想されます。

　ビットコインの持つ本質的な価値──それは「誰にもコントロールされない、お金の自由」です。今こそ、短期的な値動きの追求ではなく、長期的かつ安定的な価値保存の視点でビットコインを再評価する時期に来ているのではないでしょうか。

### 参考記事
– Once a crypto skeptic, Trump is now a big fan of the industry | PBS
– Trump 2.0: A New Era for Cryptocurrency and Digital Assets
– The Bitcoin hum that is unsettling Trump’s MAGA heartlands

＊本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。