今週、ビットコインやXRPをはじめとした主要暗号資産が大幅な価格上昇を記録しました。現在、ビットコイン価格は約17,525,900円と、その存在感を国内外に強烈に示しています。その背景には、米国で仮想通貨規制の歴史的転換点となる「Genius Act」の可決、そしてドナルド・トランプ前大統領によるクリプト政策の大転換が大きく影響しています。

　まず注目したいのは、「Genius Act」の成立です。これまで米国のクリプト業界が直面していた規制の壁を突破し、初めて業界全体に恩恵をもたらす政策的勝利となりました。この法律によって、クリプト市場が一層健全化される期待が高まり、ビットコインやXRPといった主要銘柄への信頼感が回復・増幅したと考えられます。

　さらに、かつて「ビットコインは詐欺のようだ」と発言していたトランプ氏が大きく姿勢を転換し、今や業界の熱心な支持者になったことも、とても象徴的です。最近ではトランプ陣営が積極的にビットコインやデジタル資産に投資を行い、今後米国の個人退職口座（401k）へのクリプト導入を目指す方針も打ち出されています。これにより、投資家のみならず一般市民にもクリプトへのアクセス機会が大きく広がる可能性があります。

　この動きは、ビットコインの社会的・経済的な意義をより強調するものです。オーストリア学派経済学者であるハイエクやミーゼスが主張した貨幣の「プライバシー」と「自己決定」、さらには『The Bitcoin Standard』で示された「健全なマネー」としてのビットコインの特性――すなわち、国家や金融機関の干渉を受けずに自分の資産を保有し続けることが可能であるという点――が、いまリアルに評価され始めているのです。

　私は、ビットコインを単なる投機的な「投資」ではなく、「金のアップデート版」としての”価値保存手段”として保有することの意義を強調したいと思います。他者がアクセスできない秘密鍵を自ら管理できるという事実は、現代社会における究極の自己主権といえるでしょう。これは、国家や金融機関など「中央集権的な力」がビットコインに本格参入してきた今だからこそ、より一層輝きます。

　国家や機関投資家の参入は一過性のブームではなく、ビットコインが本質的に「グローバルな価値保存手段」としての役割を拡大させている証拠です。私たち個人がまずできることは、他人任せではなく「自分で資産を守る」という意識を持つこと。今回のニュースは、ビットコインという”非中央集権的マネー”が社会基盤そのものを変えていく時代の到来を、はっきりと示しています。

### 参考記事
– Bitcoin, XRP Price Gain as Genius Act Passes. Trump Has Big Plan …
– Once a crypto skeptic, Trump is now a big fan of the industry
– Donald Trump set to open US retirement market to crypto investments

＊本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。