2025年、ビットコインはついに史上最高値を更新し、1BTCあたり12万ドル（約1,738万円）を突破しました。市場全体が熱気に包まれる中、アメリカ・ワシントンD.C.では政策動向もビットコインへの関心を一段と高めており、今後の価格動向に世界中の投資家やビジネスリーダーが注目しています。

こうしたビットコインの高騰の背景には、かつてはクリプト懐疑派として知られていたトランプ元大統領が、今や業界の支持者に転じたことも大きな影響を与えています。トランプ氏は2021年には「ビットコインは詐欺のようなもの」と発言していたにもかかわらず、その考えを大きく転換し、暗号資産産業の発展や新たな法整備の必要性に理解を示しています。これは、国家レベルでのビットコイン支持が広がることで、その信認と価値がさらに高まる可能性を示唆しています。

　しかし、熱狂的な価格上昇と同時に、暗号資産取引所への大規模なハッキングリスクも高まりを見せています。2025年のチェイナリシス「暗号資産犯罪動向調査レポート」によれば、主要取引所ではセキュリティ対策が急務となっており、業界全体が顧客資産保護のために新たな対策を講じています。こうした動きは、仮想通貨を保有するユーザー自身にも「資産をいかに自分で守るか」という意識転換を促しています。

　この点について、オーストリア学派の経済思想と『The Bitcoin Standard』を参照すれば、ビットコインは伝統的な金融資産と異なり、中央集権的な管理者に依存せず、自分自身で秘密鍵を保持できる点が最大の特徴です。ハイエクやミーゼス、ロスバラードといった自由主義経済学者たちが指摘する価値保存の本質とは「他者が容易にコントロールできないこと」にあります。まさにビットコインは、現代版「デジタルゴールド」として、その本質を体現していると言えるでしょう。

　そのため、筆者としてはビットコインを単なる「投資商品」として捉えるのではなく、「長期的かつ安定して価値を保存できる手段」として活用することを強く推奨します。現代の不安定な金融政策やインフレリスクの中で、自分自身で資産を完全にコントロールできるビットコインほど、強固な価値保存手段は他に存在しません。

　最後に、国家や金融機関の本格的な参入が続く限り、ビットコインの価値と社会的意義は今後さらに高まっていくでしょう。価格の上下に一喜一憂するのではなく、その根本的かつ革命的な意義にぜひ目を向けてみてください。

### 参考記事
– Bitcoin price sets record, surges past $120,000
– Once a crypto skeptic, Trump is now a big fan of the industry
– 取引所が大規模な暗号資産ハッキングに備えるセキュリティ対策

＊本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。