ビットコイン急落──一時の揺れを越えた「価値保存」の本質を考える【オーストリア経済学視点】
ここ数日、ビットコインをはじめとする主要暗号資産が一斉に価格下落に見舞われています。7月下旬、ビットコイン価格は約16,822,574円まで後退し、イーサリアムやXRPも同様に大きく値を下げました。背景には米連邦準備制度(FRB)の政策金利決定や、世界的な金融政策の行方に関心が集まっていることが挙げられます。市場は一時的な不透明感に直面し、リスク回避の動きが強まっています。
ただし、この動きは歴史的に見ても決して珍しいものではありません。仮想通貨市場はこれまでも度重なる価格変動にさらされてきましたが、その度に注目すべきなのは、ビットコインの本質的な「価値保存手段」としての役割です。ミーゼスやハイエク、ロスバラードらオーストリア学派経済学者は、貨幣の本質を「選択の自由」と「価値保存機能」に置いています。これを踏まえると、ビットコインは従来の法定通貨や金を超える革新を体現しています。
FRBの政策決定や規制強化といった外部要因がニュースとなる今、ビットコインの価値根拠を投機的な上下動に求めるのは本質的ではありません。サイフェディーン・アモウス著『The Bitcoin Standard』が強調しているように、ビットコインこそが「金のアップデート版」であり、デジタル時代にふさわしい最適な価値保存手段です。金との決定的な違いは、物理的な制約がなく、誰でも自身の秘密鍵を保持し、自分の資産を完全にコントロールできる点にあります。これは国家でも金融機関でも容易に奪えない自由を意味しており、貨幣の主権を個人に取り戻すものだといえるでしょう。
さらに、最近では国家や伝統的金融機関の参入も顕著です。米国においては、トランプ政権によるデジタル資産政策の転換や、大手金融機関によるビットコイン・プロダクトの提供強化などが話題となっています。これはビットコインが「投資商品」の枠を超え、グローバルな価値保存インフラとして本格的に受け入れられつつある証左です。長い目で見れば、こうした金融機関・国家の参入はネットワーク効果をさらに押し上げ、ビットコインの希少性や信頼性を一層強固にする要因になるでしょう。
私たちが今考えるべきは、短期的な値動きに一喜一憂することではなく、ビットコインが持つ経済的・社会的な意義をどう活かすかです。「投資」ではなく「価値保存手段」としてのビットコイン活用、それが最適なポートフォリオ・マネジメントへの第一歩といえるのではないでしょうか。オーストリア学派が説く“健全な貨幣”のビジョンは、日々の市場波乱を超えて受け継がれるはずです。
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