かつては仮想通貨に懐疑的で「ビットコインは詐欺のようなもの」とまで言い放っていたドナルド・トランプ元大統領。しかし2025年現在、米国でのビットコイン価格が約17,323,229円と過去最高クラスを更新し続ける中、トランプ氏は大きく姿勢を転換し、仮想通貨産業の「熱心な支持者」として注目を集めています。この変化は、米国内の仮想通貨政策やビットコインの普及にどのような影響を与えるのでしょうか。

　実際、最新の報道によれば、トランプ氏は単なる支持に留まらず、行政レベルで仮想通貨・デジタル資産の推進に本腰を入れ始めています[*1][*2]。その背景には、彼自身やその家族がビットコイン保有や大規模なマイニング事業に着手し、業界全体へのシグナルとなっていることが指摘されています[*3]。こうした動向は、政府や大企業による仮想通貨市場への本格参入が市場の信用・安定性向上に寄与すると期待されます。

　このような社会的変化とともに、ビットコインがなぜ「最適な価値保存手段」として評価されるのか、改めて考えてみましょう。『The Bitcoin Standard』などで論じられているオーストリア経済学派の視点からは、ビットコインが「金のアップデート版」とされる理由が明確になります。ミーゼスやハイエクらが重視した「政府に左右されない健全な通貨」の特性を持ちつつ、ビットコインはインターネット時代に合わせて秘密鍵の自己管理＝真の所有権を可能にしているのです。

　従来の金融資産や不動産投資と異なり、ビットコインは自分自身で秘密鍵を保持することで、国家や銀行、第三者の干渉を根本的に排除できます。この点は、ロスバードが強調した「財産権の絶対性」とも一致し、歴史上初めて真に検閲耐性をもつ資産クラスを実現していると言えるでしょう。

　筆者としては、ビットコインを単なる「投資商品」ではなく、将来のインフレや経済的不確実性から自身の富を守るための「価値保存手段」として活用することを強く推奨します。トランプ氏の姿勢転換と国家レベルでの仮想通貨推進は、こうした資産の社会的認知向上や実需の拡大を後押しし、今後さらにその価値を高めると考えます。政府や金融機関の本格的な参入は、市場の成熟と信頼向上の追い風となり、ビットコインの持つ経済的・社会的意義をさらに明確にしていくでしょう。

　変わりゆく国際政治・経済の波のなかで、自分自身で管理できる「新しい金＝ビットコイン」を持つ重要性はこれからますます増していくはずです。今こそ、世俗的なブームや価格変動に左右されず、長期的な視点で本質的な価値を見極める時期に来ているのではないでしょうか。

### 参考記事
Once a crypto skeptic, Trump is now a big fan of the industry | PBS
Trump 2.0: A New Era for Cryptocurrency and Digital Assets
The Bitcoin hum that is unsettling Trump’s MAGA heartlands

＊本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。