補聴器の代用はできるのか?AirPods Pro 2で外部音取り込みを活用する方法と注意点

以下では、Appleの「AirPods Pro(第2世代)USB-C対応モデル」について、補聴器のような代用を期待して購入したという視点も含め、実際に使ってみた印象をレビューします。結論としては、「聴覚補助機能」に役立つ面はあるものの、あくまでも補聴器とは異なる製品であることを理解しておく必要があります。


製品概要

  • 製品名:AirPods Pro 2(エアーポッズ プロ 2)
  • 充電ケース:MagSafe充電ケース(USB-C)
  • 特徴:アクティブノイズキャンセリング(ANC)、外部音取り込み機能、空間オーディオなど
  • 型番:MTJV3J/A

購入の理由

補聴器のように外部の音を増幅・明瞭化するガジェットを探しており、日常でも使いやすいワイヤレスイヤホンとしてAirPods Pro 2を試してみることに。特に「外部音取り込み」機能や「アダプティブオーディオ」などの新機能が気になりました。


1. 補聴器的な使い方はできる?

外部音取り込みモード

  • 自然な音の取り込み
    AirPods Pro 2は、装着しながら周囲の音を比較的クリアに聞くことができます。周囲の会話やアナウンスを聞き逃しにくくなるので、耳が遠くなり始めた方にはある程度の補助になるかもしれません。
  • 補聴器ほどの強い音量増幅は期待できない
    あくまでイヤホン機能の一部であり、医療機器としての補聴器とは原理も目的も異なります。会話の音声を少し聴きやすく感じられる場合もある一方、聴力が低下している方が常用の補聴器を代替できるほどの性能があるわけではありません。

アダプティブオーディオ(Adaptive Audio)

  • 周囲の騒音レベルに応じたモード制御
    新しいAirPods Pro 2(USB-Cモデル)では、音楽や通話の音量と周囲の音の取り込みを自動調整してくれる「アダプティブオーディオ」機能が搭載されました。周囲がうるさければノイズキャンセリングよりに、静かであれば外部取り込みよりに、といった柔軟な制御を行ってくれます。
  • 聞き取りやすさは改善するが、医療用途には不向き
    音量調整の手間が減るため、雑談やちょっとした会議などでは聞き逃しを減らしやすく感じます。ただし補聴器のように周波数別の音声補正を行うわけではないため、専門的な聴力支援には限界があります。

Live Listen(ライブリスン)

  • iPhoneをマイク代わりにできる機能
    iPhoneを相手の近くに置き、その音声をAirPodsに飛ばして聞きやすくする機能です。ある程度離れた場所でも声を拾いやすいというメリットがあります。
  • 環境ノイズには注意
    iPhoneのマイクが周囲の雑音も拾ってしまうため、静かな環境でないと逆に聞きづらくなることもあります。

2. 装着感・音質

  • 装着感
    前モデルと比べてイヤーチップのフィット感がさらに良くなっており、装着していても疲れにくい印象。個人差はありますが、複数サイズのイヤーチップが付属しているので、自分の耳に合うものを選べます。
  • 音質(音楽・通話)
    全体的にバランスが良く、低音の迫力も十分。通話品質も向上しており、周囲がうるさい場所でも相手に声が届きやすいと感じました。

3. MagSafe充電ケース(USB-C)での使い勝手

  • USB-C対応の利便性
    ついにLightningではなくUSB-Cが採用されたため、MacBookやiPadなど他のデバイスとケーブルを共用しやすくなりました。
  • バッテリー駆動時間
    1回の満充電で6時間ほど使え、ケース込みで最大30時間程度が目安。こまめにケースに戻して充電するスタイルなら、ほぼ丸一日使えます。
  • 探す機能(U1チップ)
    ケース内にU1チップが搭載されており、「探す」アプリで位置情報をより精確に追跡できます。置き忘れ防止に役立ちます。

4. 総評&補聴器代わりにする際の注意

  • 総評
    • メリット: 補聴器ほどではないが、外部音取り込みやアダプティブオーディオにより、多少の聴きやすさ向上を感じられる。ノイズキャンセリングや音質の良さなど、音楽・通話用途でも高水準。
    • デメリット: 医療機器としての補聴器機能は持ち合わせていないため、根本的な聴力補正は期待できない。
  • 補聴器代わりに考える方への注意
    1. 補聴器ほどの精密なチューニングは不可
      個々の聴力に合わせたカスタマイズは行えないので、聴覚補助機能はあくまでも簡易的。
    2. 環境ノイズの影響
      周囲がうるさい場所では音が混ざり合って逆に聞き取りづらくなる場合もある。
    3. 医療機器とは違う
      聴力に不安がある場合は専門医の診断を受けることが望ましい。AirPods Pro 2は利便性はあるものの、医療レベルの補聴器の代替にはならない。

まとめ

AirPods Pro(第2世代)USB-Cモデルは、「高音質」「ノイズキャンセリング」「外部音取り込み」「アダプティブオーディオ」など、多彩な機能がオールインワンで詰まった優秀なワイヤレスイヤホンです。補聴器のような使い方を期待した場合、一定の聴覚補助効果を感じられるシーンもありますが、あくまで“簡易的”な範囲に留まる点を理解しておきましょう。必要な場面では「Live Listen」を活用したり、外部取り込みモードをオンにするなど、実際の使用スタイルに合わせて機能を使い分けると便利です。

もし、より本格的な聴覚サポートが必要なら、医療用の補聴器との併用や専門医への相談をおすすめします。とはいえ、日常生活のあらゆるシーンで快適に活用できる、プレミアムイヤホンとしての価値は高いと感じました。